思考の整理学
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1986/04/24
- メディア: 文庫
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他の本を購入したついでに買ってきたのだけど興味深い。
エッセイみたいな本なのだけど、BLOGを書いているような人には面白い読み物だ。
思考を整理することが中心にはなっているのだけれど、各章ごとでは、エッセイのような雰囲気を漂わせつつ今でも役に立つ、むしろ文章を公開する機会の多いBLOGERには役立つと思う。
先日も、われわれの三人会を開こうということになって、東京の某ホテルを予約した。ツインの部屋へ補助ベッドをもちこみ、夜を徹して語ろうというのである。
この文章から始まる、「談笑の間」は最近流行の勉強会にも通じるところがあるんじゃなかろうか?自分の場合にはプログラミングに関する催し物や勉強会しか知らないが、かなり盛況だしBLOGやTWITTERでその情報が流れていることをよく目にしている。読書会も社内での開催でやっているところも多そうだ。
ホメテヤラネバ
この章は人付き合い、他人の思考を育てるということについてを述べている。短い章なのだけれど、普段の行動に今すぐにでも取り入れることができる。他人の思考を否定しない。水をかけるような事をしない、だけだもの。他人の考えをネガティブにとらえたら、アイデアを分けて貰うことができなくなる。
既知・未知
本を読むこと、その中でも好奇心を満たすことに喜びを見いだす人にはこの章が面白い。立ち読みで、ここの部分だけでも読んだらそのまま買ってしまいそうなぐらいだ。
知的活動には三つの種類が考えられる。
(1)既知のことを再認する。以下、これをAとする。(2)未知のことを理解する。これをBとする。(3)まったく新しい世界に挑戦する。これをCとする。
普段は読書では、ここまで分類して読んでいない。知らない部分が出てきたら何度も読み返してみるぐらいで深い読み方をしてこなかった。書名にある「思考の整理学」に含まれるに相応しい章だ。30年弱昔の本なのに、今更になって読んだとは残念だ。これまでは(1)しかできていなかったように思える。 (2)がごく稀に。(3)については無意識すぎてできたと言えるレベルは存在しない。
帯には東大生の感想とかなんとか書いてあるが、帯なんぞは気にせずに、本屋で手に取ってみるのが良いと思う。自分が店頭で購入したときには紀伊国屋で1位の棚にあった上に、最後の一冊だった。もの凄いベストセラーだ。